[Song Review] ウィアートル / rionos『さよならの朝に約束の花をかざろう』主題歌

[Song Review] ウィアートル / rionos『さよならの朝に約束の花をかざろう』主題歌

2018年2月に公開されたた長編アニメーション映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』の主題歌「ウィアートル」。アニまち的2018年度No.1のアニソンです。作詞はriya、作編曲&ボーカルはシンガーソングライター・プロデューサーのrionosです。「ウィアートル」がよく似合う3月の雪解けの季節に本記事を書いたのですがタイミングを逃してアップしていませんでした。

2017年秋アニメ『クジラの子らは砂上に歌う』のED「ハシタイロ」を聴いたときから思ってましたが、rionosは本当に天才ですよね。今まで彼女が手掛けた楽曲群を聴いてきた人なら、その圧倒的な音楽的才能に疑いの余地がないことはよくご存知だと思います。もっとたくさん曲を作ってほしいのですがなぜか寡作なんですよね。自分で歌うことも少ないですし。

そんな音楽に愛されたrionosの才能が最も輝きを放ったのがこの「ウィアートル」(Viator: ラテン語で旅人の意)。現時点で文句なしで彼女の最高傑作ではないでしょうか。ほぼピアノと歌で構成された非常にシンプルな楽曲ですが、ただただ美しい。この曲はイントロが最高ですね。ここで既に勝負が決まった感があります。もう名曲の匂いしかしません。rionosらしい儚くも美しい旋律。間奏手前ではっきりと聴こえる優雅なハープ音はよく聴くとイントロにも入ってますね。劇中で長寿の民イオルフヒビオルと呼ばれる布を織っている姿はハープ奏者のそれと重なります。エンドロールの映像もヒビオルでしたよね。

rionosはコードの使い方や変拍子の入れ方も本当に上手いですよね。「ウィアートル」はオンコードが巧みに使われていて、曲の流れが非常にスムーズで聴く人に穏やかな印象を与えます。安心するというか聴いていて心地良いんですよね。

イントロ-Aメロ-間奏-サビ-Aメロ-大間奏-大サビ-アウトロという構成も面白いというか映画的です。本来なら歌モノでBメロがあるべきところを歌わないんですよ。代わりとなるピアノのアルペジオとスキマを埋めるパッド音が幻想的で静謐な空間を演出しています。こういうとこセンスを感じますね。

そして忘れちゃいけないのがrionosのボーカル。素晴らしいですよね。彼女の吐息交じりの歌声が僕はとても好きです。サビなんてかなりの高音ですがとても澄んだ綺麗な声でいて力強い。アウトロのコーラスも壮大です。アニソン界で言うとEGOISTのchellyやなぎなぎのいいところが上手くミックスされた感じです。褒めすぎですかね。

全体としてどこか消えてしまいそうなくらい繊細な印象なのですが、そこに確かな希望の灯が見える―そんな曲です。長かった冬が終わりを告げ、春の新芽が顔を覗かせるようなイメージ。いろいろあったけどこれからも人生は続いていくんだ、というメッセージにも聴こえます。

こんなに美しいアニメーション映画主題歌が今まであっただろうか?

決して誇張などではなく何時間もループして聴いてられます。「ウィアートル」には監督の岡田麻里さんも100点満点を付けたのではないでしょうか。僕は100点では足りないので300点付けます!

『さよならの朝に約束の花をかざろう』PV映像(マキアとエリアル篇)

『さよ朝』の数々の名シーンが蘇りますね。

映画が素晴らしかったのは今更言うまでもないですよね。P.A.Worksさんお疲れ様でした。最高の作画をありがとう。キャラクター原案に吉田明彦氏を起用したのは大当たりですね。本作のファンタジーな世界観にぴったりです。

テレビ放送はまだですよね。もっとたくさんの人に観てほしい名作です。普段アニメ観ない層にも刺さると思います。人生の美しい瞬間が詰まってます心が洗われるよ

僕は川井憲次氏が手掛けた『さよ朝』のサントラも購入済みで、こっちも素晴らしい出来なのですが、さすがに長くなりすぎるのでまた別の機会にでも。

最期にrionos、もっと曲作って歌ってくれ。本気のフルアルバムを一枚出して聴かせてほしい。

©PROJECT MAQUIA