[Song Review] ビードロ模様 / やなぎなぎ『あの夏で待ってる』ED

[Song Review] ビードロ模様 / やなぎなぎ『あの夏で待ってる』ED

連日5月とは思えないうだるような暑さですがここで初夏にピッタリのナンバーを。「ビードロ模様」は記念すべきやなぎなぎメジャーソロデビュー曲にして、2012年放送のアニメ『あの夏で待ってる』EDテーマです。

この曲にはなにかがある。そう感じて早数年、もう一度じっくり聴いて楽曲の魅力に迫りたいと思います。そのなにかがなんなのか答えを出したい。

作詞はやなぎなぎ、作曲に中沢伴行氏です。一応さわりとして以下公式でサビが聴けます。是非ともフルで聴いてほしいのでまだの人はご自身で購入なりレンタルを推奨。

【やなぎなぎ】「ビードロ模様」PV(サビ)

曲全体を覆う浮遊感の正体は繰り返されるシンセのシーケンスです。サビやアウトロでも聴こえますが特にイントロに注意して聴くとわかりやすいと思います。ここにやなぎなぎの透明感あふれるコーラスが重なって最高の清涼感が生まれています。もうイントロのループだけでもずっと聴いてられる。それくらい気持ちいいし素晴らしい。BPMもバッチリでこれ以上早かったらこの浮遊感は薄れてしまったと思います。

この曲なんというかすごく淡々と進みますよね。メロディの起伏があまりないからかな。サビがAメロBメロより低いとこから始まりますもんね。メロディラインが流れるようになめらかです。ドラマティックなコードチェンジや転調がないのがいい。代わりに分数コードがおしゃれに曲を繋いでます。

そして印象に残るのがサビの前後半をつなぐピアノのフレーズ。ボーカルが下がってピアノが上がってくるところです。リバーブが綺麗に響いていて心地いいんですよね。間奏とアウトロのエクスペリメンタルなエレキギターのフィードバックサウンド夏の残響といった雰囲気でノスタルジックな曲によく似合う。ボーカルとメロディも併せて曲を構成するすべての音が絶妙に嚙み合っています

歌詞は「ビードロ模様」のタイトルが示す通りガラスのように繊細な描写。もう僕たち大人が失って取り戻すことのできない情景のようなものが浮かびます。夕立、降り注ぐ、海、など水を連想させる言葉清涼剤になってます。夏の歌ですがとにかく涼しい。今この曲を聴きながら本記事書いてますが、心なしか部屋の湿度が下がったような気がします。

アニソンで4つ打ち、さらにここまでチルノスタルジックな曲は当時は珍しかった。2019年現在でも思い浮かびません。邦楽に範囲を広げるとゼロ年代のFreeTEMPOが脳裏をよぎりましたが。ということで「ビードロ模様」はアニソン界で唯一無二のChill HouseということでFA。しかもそれが2012年発表。時代の先を行ってますね。

夏が近づくと毎年聴きたくなる魔法のような曲です。控えめに言って神曲。アニメ『あの夏で待ってる』もめちゃくちゃ良かったですよね。タイトルの勝利。

暑くなってくるとハウスやジャズが聴きたくなるアニまちでした。

©NBCUniversal