“奇跡の7分間”で迎えるグランドフィナーレ!『キャロル&チューズデイ』第24話(最終話)「A Change is Gonna Come」

“奇跡の7分間”で迎えるグランドフィナーレ!『キャロル&チューズデイ』第24話(最終話)「A Change is Gonna Come」

タオから語られる秘密

君は一人じゃない-タオから語れる真実。なんとアンジェラとタオは同じ博士から生み出されたデザイナーズチャイルド。追われる身のタオがアンジェラに会いに来たのは別れを告げるため。私を連れていってとすがる彼女に対し「君はもう自分自身の歌を歌うべきだ、 例え姿を消しても必ずどこか遠くで君を見ている、 またいつか会おう」と告げその場を去るタオ。タオにしてはかなり饒舌だしデレましたね。ケイティにもアンジェラを頼む、とずいぶん気に留めた様子。

スペンサーはヴァレリーに直談判。ジェリーによるテロの自作自演を証明するスペンサーに対し、どうやらヴァレリーもずっとジェリーが気に入らなかったようで、やっと彼を切るきっかけができたと安堵しているようにも見えます。やりたくもない政策を掲げるのにも疲れていたと。ヴァレリーは大統領選は辞退、政治家としてまた一からスタートですが、満足気な表情を浮かべています。

世界を一つに

ついに幕が上がる“奇跡の7分間”。C&Tとゆかりのある数々のアーティストたちが火星メモリアルホールに集結。2人がこの日のために魂込めて書き上げたアンセム「Mother」がヴェールを脱ぐ。物語の最後を飾るにふさわしい力強く壮大なバラードです。曲が進むにつれどんどん人が増えていって最終的にゴスペル調になる演出に震えた。7分という長尺ですが、ボーカルどんどん変わるしその面子も懐かしくて聴いていても見ていても楽しめました。中でもフローラさんの力強い歌声が聴けて良かった。そして最後のキャロル&チューズデイ&アンジェラのカットが素晴らしい。三人とも最高の笑顔でしたね。これが全てでしょう。

出身も所属も肌の色も関係ない、みんな同じ人間なんだ、愛なんだ。こう書くとキリスト教の“汝の隣人を愛せよ”みたいですね。僕は素晴らしい言葉だと思います。何者でもなかった2人の孤独な少女が出会い作ったメッセージソングが巡り巡って作中世界の人々、そして僕たち現実世界の視聴者の心に届く。そんな小さな奇跡が重なって世の中がより良い方向に向かう-音楽の力ってこんなにも大きなものだったんですね。

Will Be Continued. In your mind.

ついに最終話を迎えた『キャロル&チューズデイ』。今後数十年はこの作品を超える音楽アニメは現れないだろう、そう確信させる凄まじいクオリティでした。ここまで音楽の持つ力を信じ、真摯に音楽に向き合ったアニメーションは見たことがない。4月の第一回放送から毎週夢のような時間を過ごさせてもらいました。

キャロル&チューズデイの舞台は未来の火星ですが、どこか僕たちの世界と繋がっていると思わせる仕掛けも良かったですね。インスタだったりマーズブライテスト、SXSW、グラミー、ガスの語る古いロックスターの逸話や毎話のサブタイル等々。こういった細かいリアリティがあったからこそ、ラストの曲に込められたメッセージが僕たちのハートにガツンと届くのだ。

もし『キャロル&チューズデイ』を超える音楽アニメが出てくるとしたら、それは『キャロル&チューズデイ』だけである。というわけで、ちょっと気が早いですがSeason 2、劇場版、どんな形でもいいので続編の制作を是非お願いしたい。僕たちの心の中で物語は続いてゆく(Will Be Continued. In your mind.)のはその通り素敵な終わり方ですが、やはりファンとしてはこの素晴らしい作品をここで完結としてしまうのはあまりにも勿体ないと感じます。

Netflixで海外にも配信するので作品に対する反響も大きくなると思います。いつか制作陣の方がインタビューでおっしゃっていた、キャロル&チューズデイ(Nai Br.XX & Celeina Ann)がリアルのグラミー賞にノミネート、なんてこともあるかもしれません。夢が広がりますね。

最後に、この珠玉の音楽アニメーション作品を毎週休むことなく届けてくれたスタッフ、制作陣の皆様、曲を提供してくれた世界中のミュージシャン、そして渡辺総監督、お疲れ様&ありがとうございました。本当に奇跡のような半年間でした。またキャロル&チューズデイに会える日を楽しみに待っています。

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会