[Song Review] 水槽 / 中島愛『星合の空』OP

[Song Review] 水槽 / 中島愛『星合の空』OP

『星合の空』各話感想でもう何度も書いてますが今季で一番好きな曲。2019秋アニメ初のアニソンレビューは『星合の空』主題歌・中島愛の『水槽』です。11月6日リリースでようやくフルで聴けました。フライングドッグ系はSpotifyで配信してないのでダウンロード購入しました。早速聴きながらレビュー書きます。

どのくらい素晴らしい曲なのか聴いていない人はまずは公式MVをどうぞ。

中島 愛 ニューシングル「水槽」MV(short Ver.)

どうですか。続きが聴きたくなりますよね。もうイントロのアコギのフレーズが聴こえた時点で名曲の匂いがしませんか。僕は開始3秒で「この曲は最後までしっかり聴こう」と思いました。掴みは大事です。

フルで聴くとリズムのデジタル感・緩急の付け方とアコギ&ストリングスの生音の調和が特に印象的です。Aメロはふわふわ漂っているようなゆったりとしたテンポにアンビエントなシンセを乗っせて浮遊感を演出。続くビルドアップのスネアロールでサビへ繋いでいるのですが、この意外性のあるEDM的なアプローチが面白い。この曲調・流れでガチガチのEDM要素ぶっ込んでくるんですよ。

そのスネアロールから始まるサビが圧巻です。まず前後半の 8小節でガラっと曲の雰囲気が変わるのが凄い。サビの前後半をまたもスネアロールで繋いでいるのですが、ここで霧が晴れたような開放感がさらに高まります。スネアロールは普通ビルドアップで使われるものなのですが『水槽』ではビルドアップ部分だけではなくサビの真ん中(&ラスト)にも置いています。サビが2個あるようなものなので盛り上がるのは必然。中島愛の煌びやかなヴォーカルもグングン伸びてテンションは最高潮。めちゃくちゃ気持ちいい。EDM要素その②、ビートを刻むハンズクラップも不思議と違和感がない。7、8小節目(「僕は 耳を 澄ませているよ」)のコードワークも非常にドラマティックでサビ後半がグッと引き立ちます。ストンリグスも加わって最高にエモい。演奏的にそこまでテクニカルなことをやっているわけではないと思うのですが、編曲のセンスが本当に神がかってる。イントロ→Aメロ→A´メロ→サビ→サビ´の流れが恐ろしいほど洗練されています。少年たちの門出を祝福するかのような壮大な展開を見せる間奏とアウトロはみんな大好きカノン進行ですね。冗談抜きで聴き終わった瞬間鳥肌が立ちました。

デジタルと生音の見事な調和。これほどまでストリングスとハンズクラップが噛み合った曲を僕は聴いたことがない。普通これだけストリングス使ったらリズムも生ドラムで録りたくなると思うのですがほぼ打ち込みなんですよね。

苦さも切なさも心地良さも全部ある、非常にエモーショナルな楽曲です。作曲は矢吹香那さん。編曲はトオミヨウさん。あなたたちは天才ですか。

ここでポルノグラフィティ・新藤晴一氏の手掛けた歌詞にも少し触れておきたい。というかまずタイトルの『水槽』が環境から逃れられない未熟な少年たちを暗示してますよね。これはEDの『籠の中の僕らは』も同じです。

「水槽」に加え、「熱帯魚」「遠い海から微かに届く潮騒」等、水や海を連想させるワードが多く散りばめられています。僕は水槽で飼われていた魚たち(=少年たち)がもがき苦しみながらも大海を目指し自立してゆく(=成長する)といった物語性を感じました。書いてみるとアニメのテーマまんまですね。さらに特筆すべきはサビ後半の音楽的にも一番盛り上がるパートの「鯨」という言葉。スケールの大きさや躍動感を感じませんか。ぶっちゃけ鳴っている音楽だけでこのスケールと躍動感は十二分に表現されているのですが言葉で明確に描写するのもまた乙なものです。逆だと野暮ったくなってしまいますが。

とにかく美しい楽曲で、その完成度の高さに感動すら覚えました。2019年アニソンでNo.1まである。この曲を歌ってくれたのが中島愛で本当によかった。表現力が増したような気がします。ランカ派のアニまち大勝利。こんな素晴らしい曲がメインテーマのアニメがあったらとりあえず見るしかないよね。ということでまだの人がいましたら『星合の空』をぜひどうぞ。Amazon Primeで1話から見れるよ!

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©赤根和樹・エイトビット/星合の空製作委員会